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◇-詩を投稿します-武力也(10/21-16:50)No.244
 ┗Re:詩を投稿します-中津たかし(10/26-16:33)No.247


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244詩を投稿します武力也 E-mail 10/21-16:50

----野菜はさけぶ----(朗読のための詩)
カブのスープの日のために    武力也

紹介されました武力也ですが
武力也というのは仮の名で
本当は名前などないのです
強いてお前は何者だと問われるなら
千葉は船橋 金堀の畑に立つ野菜であります
大根 ネギ 小松菜であり イモであり
原産地がアフガンである
ニンジン タマネギ カブ と 
同じ畑で暮らしております

カブの祖先はカブールにいたとは
ふるさと思いのカブたちのこじつけですが
ふるさとの畑の震えが 船橋の畑まで伝わってきて
いても立ってもいられずに
東久留米へ
ニンジン タマネギ カブと一緒に
畑から泥つきのまま駆けつけました

野菜も平和をねがっている
このひと言をいいたいために

私たち野菜の願いは ただ一つ
おいしく食べてもらいたい
これが夢
香ばしく炒められ
大きな鍋 小さな鍋でグツグツ煮られ
しっかりと噛まれ
よだれにまみれで飲みこまれ
おいしいね と にっこりしてもらえれば
無上の喜び
野菜にとってこれ以上の喜びはない

同じ畑で遠い空に耳をすます
ふるさと思いのカブ
ふるさと思いのタマネギ
ふるさと思いのニンジンは
爆撃機のエンジン音が耳について眠れない
投下され空から落ちる人道と言う名の袋
食べ物は土から成るのだ
袋の中に
ほうれん草は入っていない
カブの白さは入っていない
野菜の色のやさしさは入っていない

ふるさとの畑は捨てられたまま
ナスとトマトは取り入れる人もなく
乾いた土でうなだれたまま

畑はにぎやかなはずだった
インゲンは星にささやき
エンドウはとなりの畝の根っこをくすぐり
月は夜風に
どの畑まで吹くのかと問うはずだった

トウモロコシは明日刈入れるはずだった
家族総出で皮をとり
袋に詰めるはずだった
町の市場で金にかえ
子どもに靴を買うはずだった

靴を買えず国境へ向かった子
一切れのナス
半分のイモ
一欠けのパン
ああ
タマネギを炒める鍋はない

人間と野菜は寄りそってきた
人間が幸せなとき
それだけで野菜は幸せ
家族で囲む小さな食卓
薬味にされ
付け合せに盛られ
炒められ
香ばしく匂いをたてて食べられたい
食べられて無くなることが
野菜の誇り

航空母艦もミサイルも
兵士が肩にする銃も 
人間は齧(かじ)らない
よだれまみれにもしない
おいしいね と にっこりもしない
戦争のための衛星も
黒く大きな火を噴く翼も
一本のネギにかなわない
一粒の麦にかなわない
一羽の小鳥にかなわない

靴を買えなかった子が
国境に向かわなくてもいい明日
団欒とニンジンがあり
好き嫌いはダメよと叱れる夜のある明日

ふるさと思いのカブ ニンジン タマネギと
サトイモ ネギ 小松菜 白菜 
ほうれん草 大根 トマト ナス ピーマン レタス
キャベツ ゴボウさえも一緒になって
火を噴く翼の飛ぶ空へ
風に乗せて
野菜はさけぶ
貧しい心が武器を持ち
野菜の夢を壊している と
人間が畑を作るなら
野菜は丸々と育つ意思を持つ と

靴を買えなかった子が
国境を越えなくてもいいように
湯気の立つ真っ白なカブのスープが
あの子と一緒にある日のために
野菜はさけぶ
平和を と
おいしく 
おいしく
食べられたい と



この詩は、十月二十七日夜(六時から)、東久留米(市役所)で開かれる「平和へのコ
ンサート」で、ピアノ、語り、歌、などの一つとして朗読の予定です。「平和への
コンサート」は、東久留米周辺の人たちの中から、自然発生的に生まれてきた「テ
ロに反対し戦争にも反対する」「そのために行動したい」、と言う集まりです。私
は千葉に住んでいますが、この詩を持って東久留米へ行きます。
カブ、ニンジン、タマネギ、などの原産地はアフガンです。
難民はさらに増えるでしょう。
安心して野菜を食べられるとき、人間も野菜も、少しは幸せだと思います。

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247Re:詩を投稿します中津たかし E-mail URL10/26-16:33
記事番号244へのコメント
農民連・編集委員会へ
ご本人の了解を得て、新聞「農民」に掲載するなどしてどうでしょうか